東海理化-西濃運輸 観戦記(2023年東海地区都市対抗第5代表決定戦)
6月9日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた第5代表決定戦、東海理化-西濃運輸の観戦記です。
どちらも1度代表決定戦で敗れたチーム同士。主導権は東海理化がつかみましたが、終盤もつれました。
東海理化
020000000|2 H5 E1
00010002X|3 H11 E1
西濃運輸
東海理化
河野(18)、山本健(17)、重川(16)、金田(11)-池間
西濃運輸
奥(17)、野田(15)-柏木
投手成績
東海理化
河野太一朗 5回 97球 被安打7 四球1 三振3 失点1
山本健太郎(星城 12年目) 2回1/3 40球 被安打4 四球0 三振2 失点2
重川恵詩(浜田-東京国際大 2年目) 1/3 16球 被安打1 四球1 三振0 失点0
金田悠太朗(厚木北-帝京大 3年目) 1/3 5球 被安打0 四球0 三振1 失点0
西濃運輸
奥誠也 7回0/3 115球 被安打5 四死球5 三振3 失点2
野田晃誠(大垣日大-愛知東邦大 3年目) 2回 42球 被安打1 四球2 三振2 失点0
(出場選手)
東海理化
D井貝(2) 5川上(23) 7齋藤(1)→H安藤(5) 9門叶(9) 8武藤(8) 3宮石(32) 6中野(10) 2池間(12) 4野田(4)
西濃運輸
9齋藤(1)→9渡邊(4) 6北野(6) 5野崎(28) D小中(10) 7原田(31) 2柏木(27) 8丹下(23) 4宮田(7) 3福山(8)
(試合経過)
2回表、1死2,3塁から7番中野がタイムリー。8番池間の遊ゴロエラーの間に1点。東海理化が2点先制。2-0
3回裏、2死1塁から2番北野、3番野崎の連打で2死満塁とするも、4番小中が倒れ得点ならず。
4回裏、1死2塁から7番丹下がタイムリー。2-1
6回裏、ピッチャー交代、山本健。
8回表、4番門叶、5番武藤の連打で無死1,2塁。ここでピッチャー交代、野田。宮石の初球にバントを空振り。2塁ランナーが飛び出しタッチアウトに。結局後続もチャンスを活かせず。
8回裏、1死1塁から5番原田のセンターオーバーの当たりがタイムリー3ベースに。ここでピッチャー交代、重川。1死1,3塁から7番丹下がセーフティスクイズを見事に決めて(記録野選)西濃運輸が逆転。2死満塁でピッチャー交代、金田。ここは金田が三振に斬って1点ビハインドでしのぐ。3-2
9回表、四球2つで1死1,2塁となるも、代打安藤、4番門叶が倒れ試合終了。
西濃運輸が3年連続40回目となる本戦出場を決めました。
総評
試合の流れとか、色々な意味で見ていて面白い試合でした。
西濃運輸の奥投手は初回に三者凡退で立ち上がるも、2回に四球から連続ワイルドピッチ、死球でピンチを作って、タイムリー、内野ゴロの間で2点を失う。
その後も3回から5回まで先頭バッターを許して不安定さを見せるも、東海理化がチャンスを活かせず。徐々に立ち直ります。
逆に西濃運輸はヒットが出るもののなかなか得点が出来ず、4回にようやく丹下選手にタイムリーが出て1点差に。ただ、ここで更にチャンス拡大を狙った丹下選手の盗塁を池間選手が見事に刺す。次の打者の宮田選手もヒットで出るも、今度はキャッチャーから1塁への牽制で刺し、池間捕手が素晴らしいプレーで助けます。
そして終盤の8回に試合が動きます。8回表に連打でチャンスを作った東海理化に対し、西濃運輸は野田投手にスイッチ。ここで東海理化はバント空振りで2塁ランナーがアウトに。このチャンスを活かせなかったことで西濃運輸に流れが行きそうと思ったら案の定、1死1塁から原田選手のタイムリー3ベースで同点。そして丹下選手のセーフティスクイズで逆転。この時の原田選手のホームへの走塁も素晴らしく速かった。西濃運輸が逆転して第5代表を掴みました。
東海理化は終盤、エースの池田投手を突っ込んで勝ちに行くパターンもあったと思いましたが、そこを自重。結果第6代表決定戦で池田投手が完投したので、我慢が活きたかな、と。
無死1塁からのバント攻撃は正直有効でないので、そこは考えてほしいな、と思いますが、若手も上手く使いながらのチームは成長を感じますね。
投手陣は金田投手が今大会初登板。ボールは悪くなかったので、本大会に向けて状態を上げてくれると幅が広がりますよね。
個人的には8回から野田投手をマウンドに上げた佐伯監督が素晴らしかったな、と。今年最初から野田投手は期待されながらもずっと調子が上がらず、炎上をかなりしていました。今大会も最初の登板で失敗。これは厳しいと思っていましたが、前の東海REX戦で終盤2イニングを投げて何とか0に抑えてきっかけを掴ませると、この日は厳しい場面で投入。抑えて自信を取り戻し、逆転してからもそのまま託して、代表権獲得の胴上げ投手となった。こういう選手を活かす器用というのが佐伯監督の特徴なんだな、と改めて実感。投手コーチも含めていい首脳陣だな、と感じました。
優秀選手賞は森岡投手。防御率0で奮闘したのが評価されましたね。おめでとうございます。
ピックアップ選手
東海理化 中野 良紀 内野手(愛工大名電 10年目)
7番ショートで出場。2回に先制のタイムリーを放ち、これを含む2安打のマルチ。犠打もあり、打で貢献しました。
東海理化 池間 大智 捕手(沖縄尚学-九産大 1年目)
2回に内野ゴロの間の打点が1。目立ったのは守備で、4回に盗塁阻止、1塁への牽制で刺すプレーを続けて見せたのは圧巻でした。取ってからの速さが異色の捕手ですね。
東海理化 河野 太一朗 投手(法政二-法政大 5年目)
ボールは走っていて147kmくらい出ていました。5回まで、バックの支えもありましたが1失点と試合を作る粘りで次へのバトンをつなぎました。
西濃運輸 原田 大輔 外野手(宇部商-福岡大 6年目)
5番レフトで出場。8回には値千金の同点タイムリー3ベース。そしてスクイズでのホームへのスピード等、走塁の良さが目立ちました。
西濃運輸 丹下 大輝 外野手(名古屋国際-中部大 3年目)
7番センターで出場。4回には1点差に迫るタイムリー。8回にはセーフティスクイズを決めて逆転につなげました。
西濃運輸 奥 誠也 投手(一条-京産大 1年目)
2回に突然乱れて苦しんだものの、2点でしのぐと、8回でピンチを作って降板するまで何とか粘りました。フライアウトが多い投手でした。
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