富田-東浦 観戦記(2022年高校野球選手権愛知大会)

7月24日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた5回戦第1試合、富田-東浦の観戦記です。
公立同士の一戦。中京大中京、西尾東と強豪を続けて破った東浦がやや優勢かな、と思って観戦を始めました。

富田
2000000045|11 H15 E1
0030000300|6 H10 E2
東浦
(延長10回)

富田
渡辺(1)、田中伊(3)-松添
東浦
吉岡(17)、神谷(11)-山口

投手成績
富田
渡辺紘生(3年) 8回 136球 被安打9 四死球10 三振1 失点6

田中伊織(3年) 2回 35球 被安打1 四死球3 三振2 失点0

東浦
吉岡大晟(3年) 3回 55球 被安打4 四球1 三振2 失点2

神谷知宏 7回 137球 被安打11 四死球4 三振6 失点9(自責点8)

(出場選手)
富田
4山口 6伊藤康 7伊藤遥 9浅井→3 8古川 3田中伊→1 2松添 5服部壮 1渡辺→H高羽(19)→9
東浦
9外山 5加藤 8杉本 3榊原 4寺本 2山口 7成瀬 1吉岡(17)→1神谷(11) 6夏目

(試合経過)
1回表、2死満塁から6番田中伊が2点タイムリー。富田が2点先制。2-0
3回裏、無死1,3塁から1番外山がタイムリー。1死2,3塁から3番杉本の犠牲フライ。2死3塁から4番榊原のタイムリーで逆転。3-2
8回裏、2死満塁から2番加藤が走者一掃の3点タイムリー2ベース。6-2
9回表、1死から3連打で満塁。3番伊藤遥が2点タイムリー2ベース。2死後、5番古川が2点タイムリー。土壇場で同点に追いつく。6-6
9回裏、1死1,2塁から9番夏目のレフト後方への大きな当たり。レフトの伊藤遥が追いついてアウトに。
延長戦に突入。
10回表、先頭の松添がヒットで出ると、次の犠打がエラーとなり無死1,2塁。死球で無死満塁となり、1番山口がタイムリー。富田がついに逆転。2番伊藤康のスクイズがバントヒットとなりタイムリー。1死満塁から4番淺井が2点タイムリー2ベース。5番古川が犠牲フライ。富田が5点勝ち越し。11-6
富田が大逆転勝利をおさめ、初のベスト8を決めました。

総評

東浦が8回に3点を追加したところで正直勝負あったと思いました。ただ、東浦はそこまでに何度もチャンスがありながら取り切れず、最後望みを残してしまったこと。富田の粘りつよい守りが見事だったともいえる。5回裏1死満塁、7回裏2死満塁、8回裏も3点取って尚も2死満塁。ここで追加点が取れていれば・・・。
吉岡投手が先発。逆転した4回から神谷投手。これは予定通りというか計算通りの展開だったかと思います。神谷投手もしっかりと抑えて味方の反撃を待った。そして8回に追加点が入った。そこで油断したわけではないのでしょうが・・・。暑い中での試合。体力的には限界だったかもですね。
富田は先制したものの、3回に逆転を許し、そこからは劣勢。それでもツキは富田にあっていい当たりが正面にいったり、満塁でゲッツーをしっかりと取って、我慢していきました。
それが最後の最後、9回の反撃につながったわけで。
そのきっかけを作ったのが、9回に1死から代打でヒットを放った3年生の高羽選手。こういうところで3年生が意地を見せるとチームが乗っていく。夏の3年生のすごさを改めて見せてもらいました。
最後の2回はほとんどセンターから逆方向への当たりでした。後ろにつなぐ、アウトにならない、そういう気持ちがつながった素晴らしい攻撃でしたね。
渡辺投手の粘投も素晴らしかった。120㎞前後のまっすぐで四死球も多く、苦しい投球だったのですが、何とかしのいで追加点を許さない。前日ほぼ延長11回を投げている田中伊織投手はあまり投げられない状況だったと思う中、8回を投げ切った姿もお見事でした。
本当に全員でつかんだ創部以来のベスト8。感動させてもらいました。
次は愛知啓成と当たることに。何とか相手投手を打って、打撃戦に持ち込みたいですね。

ピックアップ選手

富田 古川 凌太 外野手(3年)

5番センターで出場。9回表、2点を追う状況で2死2,3塁の土壇場から同点タイムリー。良く初球から思い切って打ちに行きました。10回にも犠牲フライを放ち、勝負どころで3打点。勝利に貢献しました。

富田 山口 暁弓 内野手(3年)

1番セカンドで出場。3安打1四球と出塁。延長の10回には無死満塁から勝ち越し打を放ち、勝利に近づけました。

富田 伊藤 康介 内野手(3年)

2番ショートで出場。3安打1四球1犠打。延長の10回には無死満塁からスクイズを鮮やかに決めてバントヒットに。守備でも落ち着いたプレーが光りました。

東浦 加藤 亜蓮 内野手(3年)

2番サードで出場。8回には一旦勝負が決まったと思う3点タイムリー2ベースを放ちました。他、3四球、2犠打と2番らしい仕事を果たしていました。

東浦 神谷 知宏 投手(3年)

4回からマウンドへ。8回まではほぼ完ぺきな内容。9回1死から暗転してしまいました。あとアウト1つからの同点劇。それでもチームのエースとして2年くらい投げてきた投手。良く投げ切ったと思いますね。

東浦 外山 嵩翔 外野手(2年)

1番ライトで出場。2安打のマルチ。スタメンでは唯一の2年生。この経験を秋以降に活かしてほしいですね。

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富田-東浦 観戦記(2022年高校野球選手権愛知大会)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 飯田康夫 より:

    昭和57卒の元富高生です。
    長年夏季大会では、出ては1,2回戦負けの連続。
    僕らのころは、大府の槇原投手と対戦しても、やる前から及び腰の感じがありありでした。
    今回、啓成との試合をネット配信で観戦しましたが、今年の富高生たちは、
    見た目にも体格差があるにもかかわらず、対等以上に試合に臨んでる姿がとても清々しく、
    誇らしく思えました。
    実は例年、結果のみを新聞で確認するだけで、球場に足を運ぶことはなかったのですが、
    来年からは、球場に足を運ぼうかなと、少し愛校心がでてきました。

    1. kou より:

      >飯田康夫さん
      コメントありがとうございます。

      富田高校のベスト8は快挙ですよね!しかも準々決勝でもあわやのシーンを作った。
      OBからするとこんなにうれしいことはないですよね^^

      富田高校は現監督の永田さんが赴任されてから徐々に強くなっています。
      今年の活躍でまた行く選手も増えると思うので、今後も注目チームになるかと。
      是非、見てあげてくださいませ。

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