中部大春日丘-愛工大名電 観戦記(2023年選手権愛知大会)
7月27日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた準決勝の第1試合、中部大春日丘-愛工大名電の観戦記です。
やはりこの対戦の準決勝というと2006年を思い浮かべるんですよね。その時は春日丘が勝っていたはずの試合でしたが、審判の判定からひっくり返されました。中部大春日丘が最も甲子園に近づいた年。壁を破るには最もふさわしい相手との対戦となりました。
中部大春日丘
100101110|5 H10 E1
30201011X|8 H12 E0
愛工大名電
中部大春日丘
水野(12)、塩崎(1)-比嘉門
愛工大名電
伊東(11)、小島大(13)、大泉(10)、笹尾(1)-板倉、秋葉
投手成績
中部大春日丘
水野拓海 2回0/3 48球 被安打3 四球2 三振0 失点5(自責点2)
塩崎陽基(3年) 6回 83球 被安打9 四球0 三振4 失点3
愛工大名電
伊東尚輝(2年) 4回 51球 被安打3 四死球3 三振0 失点2
小島大和(3年) 2回 23球 被安打2 四球0 三振0 失点1
大泉塁翔 1回0/3 37球 被安打4 四球1 三振2 失点2
笹尾日々喜(3年) 2回 18球 被安打1 四球0 三振1 失点0
(出場選手)
中部大春日丘
2比嘉門 6堀 9小島 3阪野 4高橋 5佐々木 8椙山 1水野(12)→1塩崎(1) 7犬飼歩
愛工大名電
6河田 4金森 5加藤 9寺田 7石見(18)→8角 3中村 8宍戸(19)→7 1伊東(11)→1小島(13)→1大泉(10)→1笹尾(1) 2板倉(14)→2秋葉(2)
(試合経過)
1回表、比嘉門が先頭打者ホームラン。中部大春日丘が先制。1-0
1回裏、2死からエラー、四球、打撃妨害で満塁となり、6番中村が走者一掃の3点タイムリー3ベース。愛工大名電がすぐさま逆転。3-1
3回裏、無死2塁から4番寺田がタイムリー2ベース。ここでピッチャー交代、塩崎。1死2,3塁から7番宍戸の1ゴロの間に1点。5-1
4回表、2死2塁から7番椙山がタイムリー2ベース。5-2
5回表、ピッチャー交代、小島大。
5回裏、1死3塁から7番宍戸の犠牲フライ。6-2
6回表、2死1塁から6番佐々木がタイムリー2ベース。6-3
7回表、ピッチャー交代、大泉。2死1,2塁から2番堀がタイムリー。6-4
7回裏、2死3塁から7番宍戸のタイムリー2ベース。7-4
8回表、無死1,2塁でピッチャー交代、笹尾。1死2,3塁から7番椙山の犠牲フライ。7-5
8回裏、1死3塁から2番金森がタイムリー。8-5
愛工大名電が中部大春日丘を振り切って決勝戦進出を決めました。
総評
力の差はそんなに無かった試合。ただ大きな違いがあったのが守備力。名電の初回は2死無走者から1ゴロをエラー。ここから四球、打撃妨害で満塁となっての走者一掃。結局この3点が重くなってしまいました。
3回の4番寺田選手のタイムリーも強い3ゴロを弾いたもので、捌ける可能性はありましたし、7回の寺田選手の内野安打もアウトに出来たかもの打球。これが失点につながってしまったのが痛かったですね。
一方名電は初回に先頭バッターホームランを許した直後にヒット性のセカンドライナーを金森選手が好捕。6回にも2死1塁からタイムリー2ベースを許すも、バッターランナーを3塁でアウト。こういう確実なプレーで2点目を与えなかったのが大きかった。
中部大春日丘は1年生の水野投手を抜擢。一度名古屋戦に投げていたようですが、秘密兵器としてぶつけた形でした。初回、名電は対応しきれてなかった印象だったので、エラーさえなければ、全然違った試合になったかもです。こういう夏の大きな試合で私学4強を倒すにはこういう思い切った起用も必要ですよね。惜しかった。
一つ気になったのは8回表、無死1,2塁で相手ピッチャーが変わったところで、バントを選択した場面。3点ビハインドで2点を返したかったのでしょうが、1点止まり。押せ押せだったのでリスクがあっても攻めてほしかった。
それでも最終回、2死から堀選手がヒットを打つなど、最後まであきらめない姿勢は素晴らしかった。この経験をいつかの甲子園につなげてほしいですね。
愛工大名電は先発野手全員安打。やはりレベルが高いです。7回、8回にダメ押しが出来るところがすごいですよね。
足の速い野手が多いな、と感じました。全国でも勝てるチームだな、と改めて思いましたね。
大泉投手はMAX144kmをマーク。この日は打たれましたが、ボールは素晴らしいですね。
ピックアップ選手
中部大春日丘 堀 央征 内野手(2年)
2番ショートで出場。7回のチャンスで大泉投手を捉えてタイムリー。9回の2死走者なしからのヒットも素晴らしかった。この奮闘を秋以降のチームにも波及させてほしいですね。
中部大春日丘 佐々木 空人 内野手(3年)
6番サードで出場。2ベース2本を放ち、2得点に絡む活躍。当たっていただけに、8回の犠打はもったいなかった気も・・・。
中部大春日丘 椙山 泰輔 外野手(2年)
7番センターで出場。4回にタイムリー2ベースを放ち、犠牲フライと合わせて2打点。四死球で出塁し全打席で結果を出しました。
中部大春日丘 水野 拓海 投手(1年)
準決勝で先発に抜擢。MAX135kmで名電打線からまっすぐで空振りを取るなど、今後に楽しみな片鱗を見せてくれました。まだまだ球威は上がりそうですし、2年後にはドラフト候補になっていてほしい投手ですね。
愛工大名電 中村 咲斗 内野手(3年)
6番1塁で出場。初回の3点タイムリー3ベースがかなりチームにとって大きかった。足も相当速い選手ですね。
愛工大名電 宍戸 琥一 外野手(2年)
7回のタイムリーがかなりチームを救う一打になりました。こういう勝負強さを持っているのがこの選手のすごさ。スピードもあり、能力の高さを感じる選手ですね。
愛工大名電 石見 颯真 外野手(2年)
5番レフトで出場。2安打のマルチで5回の逆方向へのレフトフェンスに当てる2ベースの打球はすごかった。足の痙攣で交代しましたが、打線には欠かせない存在ですよね。
愛工大名電 大泉 塁翔 投手(2年)
MAX144kmをマーク。ただこの日は結構痛打を浴びました。まっすぐの勢いは素晴らしいものを持っています。追い込んでから打たれるケースが目立ったので、決め球を工夫したいですね。
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