西濃運輸-王子 観戦記(2023年東海地区都市対抗第4代表決定戦)
6月8日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた第4代表決定戦、西濃運輸-王子の観戦記です。
西濃運輸は公式戦初先発の庄司投手、王子は前回西濃運輸を7回1安打で完封した中島投手が先発しました。
西濃運輸
3010000000|4 H7 E1
0110110001|5 H12 E0
王子
(延長10回タイブレーク)
西濃運輸
庄司(14)、落合(19)、石田(11)、森岡(20)-城野
王子
中島(16)、若林(13)、近藤(19)、高島(15)-細川
投手成績
西濃運輸
庄司魁 4回 83球 被安打6 四球2 三振0 失点2
落合竜杜(常葉大菊川-法政大 3年目) 1回1/3 31球 被安打3 四球1 三振1 失点2
石田雄大(刈谷-静岡大 2年目) 1/3 6球 被安打0 四球0 三振0 失点0
森岡大輔 4回 53球 被安打3 死球1 三振5 失点1(自責点0)
王子
中島航(平塚学園-横浜商科大 1年目) 2回2/3 40球 被安打5 四死球2 三振2 失点4
若林優斗 3回1/3 47球 被安打1 死球1 三振5 失点0
近藤均(福知山成美-関西大 11年目) 2回 30球 被安打1 死球1 三振0 失点0
高島泰都(滝川西-明治大準硬式 2年目) 2回 23球 被安打0 四球1 三振1 失点0
(出場選手)
西濃運輸
9渡邊(4) 6北野(6) 5野崎(28) D小中(10)→R左向(24)→H柏木(27) 7原田(31)→8 8丹下(23)→H浦岡(22)→7住谷(9) 2城野(2) 4宮田(7)→4大山(0) 9福山(8)
王子
4山口(4) D横川(7)→H廣部(24)→D 5平野(10) 7吉岡(6)→8西山(0) 3宝島(2) 9亀山(1) 8大杉(3)→7 2細川(22) 6前田(5)
(試合経過)
1回表、1死2,3塁から4番小中が2点タイムリー2ベース。2死3塁から6番丹下がタイムリー。西濃運輸が3点を先制。3-0
2回裏、1死1,2塁から7番大杉がタイムリー。3-1
3回表、先頭の3番野崎がソロホームラン。2死2塁でピッチャー交代、若林。4-1
3回裏、無死1,3塁から4番吉岡の1ゴロゲッツー崩れの間に1点。4-2
5回裏、ピッチャー交代、落合。2死2塁から5番宝島がタイムリー。4-3
6回裏、1死2塁から9番前田がタイムリー。ここでピッチャー交代、石田。2死2塁でピッチャー交代、森岡。4-4の同点に。
7回表、ピッチャー交代、近藤。
8回裏、1死1,3塁となるも1番山口、2番廣部を連続三振。ここは森岡が踏ん張ります。
9回終了で決着つかず。タイブレークに突入。
10回表、無死1,2塁から3番野崎が送りバント。1死2,3塁から代打柏木が遊ゴロ。5番原田が四球。代打浦岡が左飛に倒れ得点ならず。
10回裏、無死1,2塁からバント失敗。1死1,2塁から死球。1死満塁から8番細川が大きなセンターフライを放ち、犠牲フライとなってサヨナラ。王子が4年ぶり18回目の都市対抗本戦出場を決めました。
総評
西濃運輸は前回コテンパンにやられた王子の中島投手を初回から攻略。中島投手がいきなり四死球を1,2番に出して乱調傾向にあったのは確かですが、そこから4番の小中選手、6番丹下選手にタイムリー長短打が出て3点を先制。3回には野崎選手に一発が飛び出して中島投手をK.O.。主導権を握ったわけですが・・・。
新人で初先発の庄司投手。MAX146kmのまっすぐを軸に何とか粘って失点したイニングも最少失点で食い止め、4回を2失点で投げ切ります。
西濃運輸としては結果論ですが、森岡投手の投入が同点になってからだったのがもったいなかった。2点リードの5回、もしくは1点リードの6回の頭から行っていれば・・・。最後までそんなに打たれなかっただけに、逃げ切れた可能性も。
8回にヒットで出た猛打賞の小中選手に代走。タイブレークで2本長打を打っていた野崎選手にバント。もちろん1点を取るために仕方ない仕掛けだったかもですが、もったいないと感じました。
中軸に当たりが続いているのは次につながる状態。小中選手が覚醒しつつあるのは打線の中では大きいですよね。連戦で投手は苦しいわけですが、佐伯監督のやりくりに期待ですね。
王子は追いかける苦しい展開でしたが、大きかったのが若林投手の好リリーフ。3回1/3を1安打でほぼ完璧に抑えました。左の多い西濃運輸に変則左腕がはまった形に。近年登板が少なく、西濃運輸に経験者が少なかったのも功を奏したかもですね。この好投に打線が応えて同点に追いつき、近藤投手、高島投手を投入して抑えてタイブレークを制しました。
高島投手は本来投げるべき試合で先発を回避していたので、どこか不安があったのは間違いないと思いますが・・・。9回、タイブレークの10回を抑えるあたりはさすがですよね。
10回のタイブレークの打順を見て、8番の細川選手にいい形で回せば勝てるかな、と思っていました。それくらいチャンスでの細川選手の勝負強さは目を見張るものがあります。期待に応えて犠牲フライを打ったのはさすがでした。優秀選手賞は納得の受賞。おめでとうございます。
王子はこれで4年ぶり18回目の出場。湯浅監督はインタビューで声を詰まらせていました。王子でこれだけ都市対抗出場を逃したのは厳しかったでしょうし、ようやくという思いが強かったんでしょうね。
投手陣がようやく近藤投手頼りという状況から脱却。駒が揃ってきました。補強と合わせていい状態で本戦に向かってほしいですね。
ピックアップ選手
西濃運輸 小中 健蔵 内野手(九産大九州-西南学院大 1年目)
4番DHで出場。3安打の猛打賞で初回には先制のタイムリー2ベース。強くコンタクトが出来るようになってきた印象ですね。楽しみなスラッガーになってきそうです。
西濃運輸 野崎 大地 内野手(敬徳-久留米工業大 6年目)
3回にはソロホームラン。この日は長打2本と犠打2。10回は打たせてほしかった気がしましたが・・・。確実性が増した印象です。
西濃運輸 森岡 大輔 投手(大谷-神戸学院大 2年目)
6回に同点になったところから登板して、9回まで無失点。8回にピンチはありましたが連続三振で切り抜けました。結果的には勝っている状況で出てきてほしかったですが・・・。武器のスライダーがこの日も有効でした。
西濃運輸 庄司 魁 投手(山形城北-石巻専修大 1年目)
社会人公式戦初先発。MAXは146kmで4回を2失点でした。現状、空振りを取る球が無く、まっすぐでファールを打たせて、追い込んで変化球等で打ち損じさせる感じ。もう少し切れが欲しい感じですね。
王子 細川 勝平 捕手(愛知商-中部大 8年目)
8番にいますが相手からすると脅威の存在なんですよね。それくらい勝負強い。10回にサヨナラ犠牲フライは打つ気しかしませんでした。優秀選手賞を獲得。
王子 前田 滉平 内野手(京都外大西-駒沢大 8年目)
9番ショートで出場。3安打の猛打賞に四球で全打席で貢献。6回には同点タイムリーを放ちました。
王子 若林 優斗 投手(三重-中京大 6年目)
ここ3年くらい登板機会が激減していましたが、今年はショートリリーフを中心に登板が増えていて、今大会初登板のこの試合では3回1/3を1安打無失点に抑え、試合の流れを変える投球となりました。この人が復活すると王子のブルペンが大分楽になりますよね。
王子 宝島 史貴 内野手(東邦-愛知学院大 6年目)
5番1塁で出場。3安打の猛打賞で5回には1点差に迫るタイムリーを放ちました。
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