至学館-三重 観戦記(2021年秋季東海大会)

11月3日に岡崎球場で行われた第1試合、至学館-三重の観戦記です。
2回戦で勝つとベスト4。三重1位の三重高校に対し、至学館がどこまで食らいつくか、と思いましたが、予想外の展開となりました。

至学館
000200020|4 H8 E1
001000000|1 H6 E1
三重

至学館
伊藤(10)、山本(1)、伊藤(10)、山本(1)、伊藤(10)-岩戸、磯村
三重
上山(18)、谷(1)-高山

投手成績
至学館
伊藤幹太 8回1/3 97球 被安打6 四死球3 三振2 失点1
山本航(1年) 2/3 6球 被安打0 四球0 三振0 失点0

三重
上山颯太 5回 66球 被安打4 四死球2 三振1 失点2
谷公希(2年) 4回 53球 被安打4 四球1 三振2 失点2(自責点1)

(出場選手)
至学館
4加藤匠 8佐野 6安並 3宮田→9→3→9→3 9田頭(13)→7→9→7→9 7濱口(18)→1山本(1)→7→1→7櫛田(9) 5兜森 2岩戸(12)→R鈴木(16)→2磯村 1伊藤(10)→3→1→3→1
三重
3宇佐美 6藤井 8野田(9)→9 4鈴木 1上山(18)→8 9大越(8)→1谷(1)→H仙波(17)→R花井(19) 7神野 5伊藤→H安池(13)→5淺井(14) 2高山

(試合経過)
2回裏、1死1塁から6番大越の2ベースで1死2,3塁とするも、7番神野の中飛が浅めで3塁ランナー自重。8番伊藤が三振に倒れ先制ならず。
3回裏、2死から死球、牽制エラーで2塁に行き、3番野田のタイムリーで三重が先制。1-0
4回表、1死2塁から3番安並がタイムリー。更に2死2塁から5番田頭のタイムリー2ベース。至学館がすかさず逆転。2-1
6回裏、2死1塁でピッチャー交代、山本。
8回表、1死2塁から1番加藤匠のタイムリー。更に2死2塁から3番安並のタイムリー。4-1
9回裏、1死でピッチャー交代、伊藤。
至学館が快勝。準決勝進出を決めました。

総評

至学館のうまさ、いやらしさ(褒め言葉)が光った試合。
序盤からうまく行かなくても、バントの構えからバスター、エンドラン、送りバント、盗塁、これらを駆使して相手にプレッシャーを与え、4回には2本のタイムリーで逆転。
先頭バッターが出ること実に7度。点を奪った2イニング以外でもプレッシャーをかけ続けたことが、流れを相手に渡さなかった要因となりました。
伊藤投手の内容が良く、MAXは133㎞ですが、まっすぐが動いているようで、コントロールも良く打たせて取る投球が素晴らしかった。そしてエースの山本投手がこの日は上山選手へのワンポイント投球をこなして、いわゆる“遠山葛西遠山”を成功させて、失点を最小に抑えました。
1番の加藤匠選手、3番の安並選手が打線をうまく回す役割をこなしていました。
三重は2回にビッグチャンスを逃し、3回には2死から1点を取ったものの、なかなかチャンスを作れない展開に。伊藤投手相手に詰まったフライアウトが多く、最後までとらえきれませんでした。
上山投手、谷投手とも、ボールは良かったのですが、粘り強い至学館打線に翻弄された印象です。
そして8回の失点はセンターの落球から。こういうミスが出たら厳しいですね。
至学館は野球がどんどん洗練されています。そして、雰囲気がいい。麻王監督が以前と違って明るいチームを作っていますね。だから失敗しても選手が委縮しない。チャレンジを続ける。現代の選手の気質にあったチームになっているな、と感じます。
選抜へはあと1勝。何とか勝利をつかんでほしいです。

ピックアップ選手

至学館 伊藤 幹太 投手(1年(10))

右のオーバーハンド。MAXは133㎞。ただ、純粋なフォーシームという感じではなく、ボールが動いている印象。それに変化球をうまく組み合わせて打たせて取る投球。フライアウトが多く、芯に当てさせない投球が光りました。

至学館 安並 蒼悟 内野手(2年(6))

2本のヒットがいずれもタイムリー。勝負強さが光りました。しっかりとボールを見て、甘い球を仕留められるセンスが光ります。

至学館 加藤 匠翔 内野手(2年(4))

2安打1四球1犠打。4打席すべてで仕事をして、2度ホームイン。1番として素晴らしい活躍でした。至学館らしい、いい意味でいやらしい選手ですね。

三重 上山 颯太 投手(2年(18))

甲子園でも好投した経験を持つ投手。この日のMAXは138㎞。ボールそのものは力があるものの、ボール球から入ることが多く、しっかりと見極める至学館打線に苦しめられました。打撃でも後半の2打席は1ポイントの山本投手に抑え込まれ活躍できず。

三重 高山 亮太 捕手(1年(2))

1年生捕手で打撃で2安打と活躍。ただ、リード面では2投手を支えるも4失点。くやしさの残るマスクになった印象です。

三重 野田 泰市 外野手(1年(9))

3回に先制タイムリー。追い込まれながらもうまく押っ付けてヒットにしました。8回のチャンスで打てなかったのは悔しいところですね。

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