ヤマハ-王子 観戦記(2022年日本選手権東海地区第3代表決定戦)

9月21日に岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われた第3代表決定戦、ヤマハ-王子の観戦記です。
ヤマハが連投で佐藤投手、王子はエースの近藤投手を先発に立ててきました。

ヤマハ
101000010|3 H9 E0
02001101X|5 H9 E1
王子

ヤマハ
佐藤(14)、ナテル(12)、九谷(13)、水野(18)、波多野(21)-川邉
王子
近藤(19)、高島(15)-細川

投手成績
ヤマハ
佐藤廉 4回2/3 80球 被安打6 四球3 三振1 失点3
フェリペナテル(カントリーキッズ 33歳) 1回1/3 28球 被安打1 四球2 三振1 失点1

九谷青孝(南部-東農大 11年目) 2/3 7球 被安打0 四球0 三振0 失点0
水野匡貴(静岡-明治大 5年目) 1/3 6球 被安打0 四球0 三振1 失点0
波多野陽介(日本文理-東北福祉大 6年目) 1回 18球 被安打2 四球0 三振1 失点1

王子
近藤均(福知山成美-関西大 10年目) 5回 88球 被安打8 四球2 三振1 失点2

高島泰都 4回 71球 被安打1 四死球2 三振3 失点1(自責点0)

(出場選手)
ヤマハ
7中田(24) 3秋利(4) D矢幡(1) 9網谷(5) 5藤岡(3) 4青柳(6) 6相羽(10)→H大本(22)→R永濱(7)→6 8前野(25) 2川邉(8)
王子
6前田(5) 4山口(4) D伊礼(10) 7吉岡(6) 3宝島(2) 8亀山(1) 9山ノ井(8) 2細川(22) 5大杉(3)

(試合経過)
1回表、2死1,3塁から5番藤岡のタイムリー。ヤマハが先制。1-0
2回裏、1死2,3塁から7番山ノ井が2点タイムリー。王子が逆転。2-1
3回表、2死1,2塁から6番青柳がタイムリー。2-2
4回表、無死1,3塁から1番中田の痛烈な1塁線のライナーを1塁の宝島が好捕しそのままベースタッチをしてダブルプレー。2番秋利の四球で2死1,3塁となるも3番矢幡が倒れ得点ならず。
5回裏、2死1,3塁から4番吉岡のタイムリー。王子が勝ち越し。3-2。ここでピッチャー交代、ナテル。
6回裏、1死から7番山ノ井がソロホームラン。4-2
7回裏、2死からピッチャー交代、水野。
8回表、2死3塁から代打大本のタイムリー。4-3
8回裏、1死2塁から8番細川がタイムリー2ベース。5-3
王子が勝って日本選手権の最後の切符を獲得。6大会連続14回目の出場となりました。

総評

王子が勝ちました。王子の先発の近藤投手は序盤からヤマハ打線に捉えられてアップアップの状態でした。それでも、打球が正面に行くなど、ツキもあってなんとか最小点で踏ん張り、試合を作る。
ポイントとなったのは4回表、連打で無死1,3塁となり、1番中田選手の痛烈な当たりがライナーとなって1塁手の宝島選手が好捕、ゲッツーになったところ。ここで完全にツキが王子に行き、ヤマハは厳しくなっていきました。
判定でもヤマハに不利なことが多く出て、苦しい試合に。
ヤマハは連投の佐藤投手を先発に立てましたが、やはり球威が落ちていて、苦しい投球でした。元々球威で抑えるタイプではないものの、要所で踏ん張れず。
ナテル選手がリリーフで上がりましたが、6回に痛恨のソロホームランを山ノ井選手に浴び、8回には抑えの波多野投手が追加点を奪われ万事休す。
投手陣が苦しいまま終戦となりました。清水投手がベンチから外れる等、思い通りに行かなかったことが大きかったかな、と感じます。投手陣の立て直しが来年の課題になりそうです。
打線は4番の網谷選手がノーヒット。大会全体を通してつながりに欠ける形になりました。面子はそろっているだけに、どの選手を使っていくか、ベンチワークの難しさが出てしまった形に。
王子は山ノ井選手が3安打で打点3。4点に絡む大活躍でした。大事なところで4番吉岡選手や8番細川選手がタイムリー。全国へ何としても出るという気持ちが王子は上回ったかも。
殊勲選手賞は高島投手。先発で長くないイニングでもしっかりと抑えて試合を作る場面が多く、この日は6回からのロングリリーフで1点(自責は0)に抑えました。立ち上がりはややボール先行で苦しみましたが、ここを三振ゲッツーでしのいでからはリズムに乗れた形に。MAX148㎞をマーク。全国の舞台でインパクトを残してほしいですね。

王子は代表決定にもさらっと集まった程度でした。それでも都市対抗を逃してからの選手権出場。全国でひと暴れしてほしいですね。

ピックアップ選手

ヤマハ 秋利 雄佑 内野手(常葉菊川-カルフォルニア州立大-三菱重工名古屋 30歳)

2番1塁で出場。2安打1四球と出塁して2度ホームに返ってきました。

ヤマハ 藤岡 康樹 内野手(富山商-東農大 6年目)

5番サードで出場。初回に先制タイムリーを放ちました。四球、エラーでも出塁。チャンスメイクも果たす。

ヤマハ 佐藤 廉 投手(修徳-共栄大 2年目)

前日に2回を投げている中で連投で先発。やはり前回の先発に比べると球威が落ちていて、疲れを感じました。1球141㎞があったものの、ほぼ130㎞中盤~後半。それでも4回には1死3塁のピンチを三振と遊飛に打ち取る等、今年のヤマハのエースという内容は見せてくれました。

王子 山ノ井 隆雅 外野手(作新学院-桐蔭横浜大 2年目)

7番ライトで出場。逆転の2点タイムリーにソロホームラン。8回には追加点につながる2ベースと、この試合だけで言えばMVPの活躍でした。思い切りのいいスイングが目立ちましたね。

王子 高島 泰都 投手(滝川西-明治大準硬式 1年目)

6回からマウンドに上がり4回で1失点。MAX148㎞をマーク。落ちる球も効果的に使ってヤマハ打線を抑え込んでいきました。ゴロアウトが多かったのも特徴。
準硬式出身ながら、王子の最も頼れる投手に成長。全国デビューが楽しみです。

王子 宝島 史貴 内野手(東邦-愛知学院大 5年目)

5番1塁で出場し、2安打とマルチ。ただ、この日は打撃以上に守備で貢献。4回の1塁ライナーは抜けていたら試合がひっくり返った当たり。9回にも好プレーがあって高島投手を援護。素晴らしい貢献でした。

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