ジェイプロジェクト-西濃運輸 観戦記(2021年都市対抗野球東海地区第4代表決定戦)

10月3日に岡崎球場で行われた第4代表決定戦、ジェイプロジェクト-西濃運輸の観戦記です。
連戦の西濃運輸は連投で船迫投手を先発に立て、一戦必勝態勢。ジェイプロジェクトの古屋投手とエースの投球に注目して観戦しました。

ジェイプロジェクト
000010002000001000|4 H20 E1
012000000000001001|5 H14 E1
西濃運輸
(延長18回)

ジェイプロジェクト
古屋(18)、木村(55)、塩本(19)、保坂(16)、平岡(11)-増田、松坂
西濃運輸
船迫(16)、山下(13)、堀田(18)、野田(15)、林(11)-柏木、森

投手成績
ジェイプロジェクト
古屋悠翔(静岡商) 1回2/3 49球 被安打2 四死球4 三振3 失点1

木村亮太(流経大柏-流経大) 2回1/3 46球 被安打3 死球1 三振1 失点2

塩本周平(滝川二-東北福祉大) 3回 44球 被安打2 四球2 三振1 失点0

保坂鷹佑 9回 141球 被安打6 四球5 三振6 失点1
平岡昌樹(佐野日大-上武大) 1回2/3 26球 被安打1 四死球2 三振0 失点1

西濃運輸
船迫大雅(聖光学院-東日本国際大) 5回2/3 90球 被安打6 四球1 三振8 失点1

山下大輝(飛龍-常葉大浜松キャンパス) 3回1/3 55球 被安打7 四球1 三振1 失点2

堀田晃(松山商-大阪学院大) 3回0/3 47球 被安打3 四球0 三振1 失点0

野田晃誠 4回 77球 被安打3 四球3 三振5 失点1
林優樹(近江) 2回 30球 被安打1 四球0 三振2 失点0

(出場選手)
ジェイプロジェクト
D松本(57) 2増田(39)→H伊藤(9)→2松坂(12) 5秦(8) 3今津(1) 7橋本(23) 8丹羽(28) 4片岡(2) 6田中(5) 9林田(29)
西濃運輸
6北野(6) 8原田(31) D渡邊(4) 9谷(25) 5野崎(28) 4大山(0)→4中村(5)→3岩城(7) 7清水(3)→7住谷(9) 2柏木(27)→R小中(1)→2森(24) 3細川(2)→4

(試合経過)
1回表、1死から2番増田、3番秦の連打で1,2塁。2死から四球で2死満塁となるも6番丹羽が倒れ先制ならず。
2回裏、2死1,2塁から1番北野の内野安打で2塁ランナーが生還。更に2死満塁でピッチャー交代、木村。ここは渡邊を三振に斬り追加点は許さず。西濃運輸が先制。1-0
3回裏、2死1,3塁から8番柏木が2点タイムリー3ベース。3-0
5回表、2死2塁から1番松本がタイムリー。3-1
6回表、2死2塁でピッチャー交代、山下。
7回裏、2死満塁のチャンスを作るも7番清水が倒れ追加点ならず。
9回表、1死2,3塁から1番松本の犠牲フライ。2死3塁から2番松坂がピッチャー返しのタイムリー。土壇場で同点。3-3
13回表、無死2塁で堀田が足の痙攣で降板。野田がマウンドへ。1死1,3塁となるも、9番林田を三振、1番松本を三邪に打ち取り好リリーフ。
15回表、先頭の橋本がソロホームラン。ジェイプロが勝ち越し。更に1死1,3塁まで行くも9番林田、1番松本が連続三振に倒れ0点。
15回裏、1死2,3塁から3番渡邊の浅いレフトフライで3塁ランナーがタッチアップし生還。4-4の同点に。
18回裏、2死2塁から7番住谷が三遊間を破り、2塁ランナーが生還。西濃運輸が延長18回にサヨナラ勝ちを収めました。

総評

歴史的な試合になりました。延長18回。試合時間6時間55分。
代表決定戦は延長無制限、タイブレークなしなのでこういう試合になりましたが、来年以降この試合で変わるかも、と思いますし、今後見れない試合になりそうです。
試合は西濃運輸が9回で終わらせるべき試合。ただ、これを追いつき、延長に持ち込んだジェイプロジェクトの戦いぶりは素晴らしかった。
一旦は延長15回に勝ち越しましたし、試合はジェイプロペースだったと思います。
西濃運輸は連投で船迫投手、山下投手を投入。負けたら厳しくなる状況で、何とか勝ちを拾おうと狙う采配でしたが、全体的には後手後手だったと思います。
これを救ったのは選手たちの意地。連投の2投手も持てる力を振り絞りましたし、堀田投手が足をつって降板したピンチを踏ん張った今大会初登板の野田投手。そして最後延長17回から登板して空気を変えた林投手。
サヨナラ打を打った住谷選手も途中出場でしたし、何が何でも3年ぶりの代表を取るという、選手たちの気持ちだけで勝った試合に感じました。
あと、西濃運輸の延長での2点は、サードコーチャーの大野コーチの好判断も目立ち、影のヒーローだったと思います。
西濃運輸は代表を取ったものの、選手起用に幅のなさが目立ちました。本大会では補強も加わりますが、選手を活かす起用法を考えていってほしいと思います。
ジェイプロジェクトは自分たちの戦いはできたと思います。それだけに勝ちたかった試合でしたが・・・。
保坂投手の奮闘はお見事でした。あと1勝がなかなか難しいですけど、何とか勝ち取ってほしいと、こういう試合を見たからより強く思います。

ピックアップ選手

※年齢は2021年末の満年齢

ジェイプロジェクト 保坂 鷹佑 投手(千葉敬愛-駒澤大 26歳)

8回からマウントに上がってまさかの9イニング登板。ロングリリーフというよりは1試合分投げた形でしたが、難しい相手が裏の投球でも冷静なピッチングが目立ちました。
なにより四球が響く延長戦でストライク先行で無駄な四球を出さなかったことがお見事でした。

ジェイプロジェクト 橋本 恭太朗 外野手(石見智翠館-九州共立大 26歳)

延長15回に一旦は決まったかと思ったソロホームラン。これを含む3安打で好調の打撃が目立ちます。

ジェイプロジェクト 松坂 裕介 捕手(帝京-東京経済大 25歳)

8回裏からの出場でしたが、9回にチャンスで打席が回ってきて値千金の同点タイムリー。その後も5打数3安打と打撃好調が目立ちます。

西濃運輸 原田 大輔 外野手(宇部商-福岡大 26歳)

7打数4安打1犠打1四球と活躍。1点ビハインドの延長15回に無死1,2塁で一発で犠打を決めたのが大きく、同点につなげたのが見事でした。

西濃運輸 柏木 貢 捕手(育徳館-日本文理大 26歳)

3回に2点タイムリー3ベースでリードを広げる。延長10回にもヒットで出て代走を送られましたが、ちょっともったいなかったかも。
大会のチームMVPに選ばれましたが、勝負強さの光る活躍となりました。

西濃運輸 野田 晃誠 投手(大垣日大-愛知東邦大 23歳)

今大会初登板でチームの絶体絶命のピンチを救う。4回で5奪三振と三振も取れていたし、ホームランを浴びた後のピンチを抑えたのも大きかった。自信になりそうですね。

今大会唯一といっていい、代表権獲得で歓喜の場面になりました。
やはりこういうのを見たいですよね。

西濃運輸は3年ぶりの代表権獲得。久々の全国で暴れてきてほしいですね。

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