知徳-常葉大橘 観戦記(2023年秋季静岡県大会)

9月10日に清水庵原球場で行われた第1試合、知徳-常葉大橘の観戦記です。
昨年一度見て気になっていた小船投手。最近の試合で150kmを出したと聞いたので、今のうちに見ておこうと思い、球場に足を運びました。

知徳
101001000|3 H9 E2
00110020X|4 H6 E1
常葉大橘

知徳
小船(1)、原田(10)-杉本昂
常葉大橘
秋山(10)、木下(1)-磯谷

投手成績
知徳
小船翼 7回 137球 被安打6 四死球3 三振5 失点4
原田勇麿 1回 17球 被安打0 四球1 三振2 失点0

常葉大橘
秋山創大 6回 111球 被安打6 四球3 三振5 失点3
木下瑞貴 3回 54球 被安打3 四球2 三振3 失点0

(出場選手)
知徳
8鈴木 9山本(7) 6伊藤 5松本 3京増 2杉本昂 7清川(17) 4菊地 1小船→H大里(19)→1原田(10)
常葉大橘
9村上 4清水 7青木 6木下(1)→1 2磯谷 5山本 3山内 8菊川 1秋山(10)→H杉山(6)→6

(試合経過)
1回表、2死1,3塁から5番京増がタイムリー。知徳が先制。1-0
3回表、2死2塁から4番松本がセンターオーバーのタイムリー3ベース。2-0
3回裏、無死1塁から9番秋山の送りバントの際に1塁ランナーが一気に3塁を陥れる好走塁。1死3塁から1番村上の1ゴロの間に1点。2-1
4回裏、1死2,3塁から8番菊川の3ゴロの間に1点。2-2の同点に。
6回表、無死3塁から8番菊地が空振り三振の投球がワイルドピッチ、振り逃げとなり、3塁ランナーが生還。知徳が勝ち越し。3-2
7回表、ピッチャー交代、木下。
7回裏、無死2,3塁から3番青木の遊ゴロの間に1点。更に1死3塁から4番木下の2ゴロの間に1点。常葉大橘が逆転。4-3
8回表、1死2,3塁から1番鈴木のスクイズが投飛。3塁ランナーは飛び出しており、ピッチャーが3塁へ投げるも悪送球に。ただこの時に3塁ランナーはベースのリタッチをせずに再びホームに向かってしまい、その後判定が混乱しましたが、3塁アピールプレーでアウトということになり知徳は得点ならず。
8回裏、ピッチャー交代、原田。
常葉大橘が競り勝ちました。

総評

どちらも毎回のようにランナーが出る試合。ただ、試合全般では知徳が押し気味でした。その証拠に常葉大橘はタイムリーが0。得点は全て内野ゴロの間に、という珍しい内容でした。
ただ知徳が押しながらも流れを掴めなかった要因はミス。エラーでの失点は無かったのですが、四球、野選が失点になり、7回裏は無死2,3塁からの内野ゴロの間の1点はしょうがない点数だったのですが、勝ち越しとなった1死3塁からの2ゴロは前進守備をしていて、ホームに投げていたら微妙なタイミング。もちろんアウト優先の判断は悪くないのですが、前進守備を敷いていた以上、ホームに投げて勝負してほしかった。結局ここまで出ていたミスから消極的になってしまった印象。
投手に力がある以上、バックがどれだけ盛り立てるかが大事になっていきます。しっかりと冬に鍛えてほしいですね。
小船投手は150kmを計測したという試合でも、アベレージだとそんなに高くないというのは記事等で見ましたが、この試合でもMAXは142km。アベレージは137~8kmくらい。セットだと133kmくらい。長いイニングを投げる上で、変化球も磨きたいですし、課題は多いですね。ただ、大きい(197㎝)というのはやはり魅力。長所を活かした成長を期待したいです。
常葉大橘は3回の送りバントの際の3塁進塁が象徴的ですが、先の塁を狙うという意識が高く、チームとしてレベルが高かったです。
エースの木下投手は7回から登板後、毎回3塁までランナーを許してピンチの連続でしたが、何とか踏ん張って勝利。最終回は無死3塁からの3人切りはお見事でした。
常葉大橘は苦しい試合でしたが、何とかものにしました。そういう勝ち方で勢いに乗りたいですね。

ピックアップ選手

知徳 小船 翼 投手(2年)

右の大型右腕。先日150kmをマークしたというのを見て庵原に足を運びました。雰囲気としては中京学院大の赤塚投手の高校生版という印象。まだ上体に頼った投げ方ですし、セットだと球威が落ちる等、課題が多い。それでもMAX142km。6回にも140kmをマークするなど、瞬間最大出力の高さはありますし、魅力的な投手なのは間違いない。変にこじんまりせずに大きく育ってほしいですね。間違いなくプロにいける素材ですので。

知徳 山本 優羽 外野手(2年)

2番ライトで出場。3安打の猛打賞で犠打、バントヒットと小技も上手い選手。好判断で2塁から3塁を陥れる場面もあって能力の高い選手。

知徳 京増 嘉紀 内野手(2年)

5番1塁で出場。188㎝88㎏と体格もいい好打者で2安打1四球と活躍。先制タイムリーも放ちました。ただ3回、9回の2死3塁というところで三振。こういうチャンスを活かせる存在になりたいですね。

知徳 原田 勇麿 投手(2年)

8回にマウンドへ。球速は120km後半ですが、スライダーの切れが異色。相手からするとかなりやっかいな投手になりそうでした。まだ伸びそうな左腕。

常葉大橘 村上 智彦 外野手(2年)

1番ライトで出場。2安打のマルチで、小船投手からマルチは価値がありますね。積極的に打っていきながら、粘れる打者。

常葉大橘 木下 瑞貴 投手・内野手(2年)

4番ショートでスタメン。打者としては7回の打点での活躍くらいでしたが、投手として7回からマウンドに上がり、毎回ピンチを背負いながらも無失点投球。MAX134km。182㎝70㎏という体格なので、まだまだ伸びそう。楽しみな選手。

常葉大橘 秋山 創大 投手(1年)

先発して6回を3失点。1年生のサウスポーで126kmをマークするなど、試合を作れる投手。鋭いスライダーで三振を取った際に振り逃げになる場面も2回ほど。先発で重宝されそうですね。182㎝61㎏とまだまだ細め。体重増えたら楽しみです。

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