神戸弘陵-クラーク記念国際 観戦記(2024年全国高等学校女子硬式野球ユース大会)

8月28日に土岐総合公園野球場で行われた女子高校野球のユース大会決勝戦、神戸弘陵-クラーク記念国際の観戦記です。
ユース大会というのはいわゆる新人戦、1,2年生の大会です。その決勝戦を見ることが出来ました。

神戸弘陵
0000000|0 H3 E1
100000X|1 H2 E0
クラーク記念国際

神戸弘陵
阿部(12)-梶谷
クラーク記念国際
菊田(1)-山中

投手成績
神戸弘陵
阿部さくら 6回 69球 被安打2 四球1 三振2 失点1

クラーク記念国際
菊田波音 7回 97球 被安打4 四死球5 三振1 失点0

(出場選手)
神戸弘陵
8矢島(9) 6福田(26) D山田(22) 5早川(3) 3山本(39) 4青木(6) 2梶谷(66) 9出口(91) 7松本(38)

クラーク記念国際
8熊谷(8) 6笠森(9) 7谷津(13) 4角(6) 3千葉(3) 9今野(7) 5伊藤(5) 2山中(2) D本郷(17)

(試合経過)

1回裏、1死1塁から3番谷津が左中間を破るタイムリー3ベース。4番角の叩きが投ゴロとなり、ホームタッチアウト。クラーク記念国際は1点を先制。1-0
4回表、1死2塁から6番青木のバントで1-5と渡ってタッチアウト。7番梶谷がヒット。8番出口の打席で1塁ランナーが牽制アウト。神戸弘陵はチャンスを生かせず。
7回表、2死から8番出口が2ベース。9番松元が1ゴロに倒れ試合終了。
クラーク記念国際が勝って優勝を決めました。

総評

ユース大会というのは1,2年生の選手が出る大会。ただ、全国大会の決勝戦ということもあってレベルの高い試合でした。特にお互いに守備が安定していて、試合を安心して見ていられるという感じ。

両チームのサウスポーも女子とは思えないくらいの球を投げていて、いい投手戦でした。
神戸弘陵はかなりランナーは出したのですが、牽制で3度アウトになったんですよね。菊田投手が上手かった。こうなると終盤は足が使えなくなってしまいましたし・・・。

唯一4回表のチャンスを生かせなかったのは痛かった。1死2塁からの送りバントは女子ではよくあるみたいですね。個人的には疑問を持ってしまいましたが、決まっていたら1点入っていたわけで。バントを防いだクラーク記念国際の守備も見事でした。

クラーク記念国際は初回に1死から四球で出て、3番の谷津選手が初球を叩いてタイムリー3ベース。結局ここの1点がものを言った形に。1年生であそこまで飛ばした打撃も見事でした。
菊田投手はダイナミックなフォームから投げ込むまっすぐが適度に荒れていて、神戸弘陵は的を絞りづらそうでした。

クラーク記念国際は今大会を2連覇。神戸弘陵は夏を連覇しているチーム。女子野球のトップチームの試合ということでレベルは高かった。
クラーク記念国際の選手、関係者の皆様は優勝おめでとうございました。

優勝の瞬間

表彰式の様子

ピックアップ選手

神戸弘陵 阿部 さくら 投手(2年)

許したヒットは2本。そのうちの1本がタイムリー3ベース。結局はこの1本に泣いた形。その前のバッターが四球で、やや取りに行った球を打たれました。まっすぐは速いし力がある。さすが全国トップチームのエースだと感じました。

神戸弘陵 山本 詠 内野手(2年)

5番1塁で出場。4回表に2ベースを放つ。見事な長打力をみせた。

神戸弘陵 梶谷 千聖 捕手(2年)

7番捕手で出場。ヒットと死球で出塁。捕手としても盗塁を2つ刺して能力の高さを見せました。

クラーク記念国際 菊田 波音 投手(2年)

大きく足を上げるきれいなフォームで投球。ややボールは高く抜けるケースもありましたが、それを上手く使って要所を抑え込みました。

クラーク記念国際 谷津 葵美 外野手(1年)

3番レフトで出場。初回の1死1塁で左中間を破るタイムリー3ベースを放ち、虎の子の1点を挙げました。

クラーク記念国際 千葉 優希和 内野手(2年)

5番1塁で出場。4回裏にヒットを放つ。

優勝インタビュー

クラーク記念国際 広橋公寿 監督

(2連覇を果たした今の気持ちを教えてください)「実際に2連覇するとは思っていませんでした。でもこの選手たちがすごいのは試合のたびに成長したんですよね。うちは投手を中心にした守りの野球。今日の試合は最高の試合じゃないですか。普段の練習通りにやってくれたのが優勝につながったのかなと思います。」

(強豪の神戸弘陵が相手でしたが、どんな試合展開を予想していましたか)「当然接戦ですよね。相手の阿部投手も素晴らしいですし。向こうの打線も力はありますが、うちの菊田ならなんとか抑えてくれる。守備もそこそこ守れる。なんとか1点取ってほしいと思っていましたが、よく取って、踏ん張ってくれました。」

(菊田投手は3試合完封でした)「予想通りです。彼女はうちのエースですから。エースは3人くらいいるのかな(笑)。その中でもトップですから。」

(今日の試合でよかったところは)「まず守備ですよ。牽制も含めて日頃にやってきたことができた。これがうちの長所だと思います。野球は点取りゲーム。点を与えなければ負けないわけで、その上で1点取れば勝てる。今日はバッテリーに尽きると思います。」

(今後も色々な大会が続いていきます)「まだレギュラーと控えが若干、差があるので、そこを詰められるような練習、春の選抜までにちょっと厳しくなると思いますが、しっかりと鍛えていきたい。」

クラーク記念国際 菊田波音 投手

(率直な気持ちを教えてください)「最初は投げていて怖い部分もあったのですが、周りがしっかりと守ってくれて、点数も取ってくれて。勝った瞬間はすごくうれしかったです。」

(準決勝に続いてのマウンド。どんな気持ちで上がりましたか)「どうしてもビビってしまう部分があるので、思い切って投げようと腕を振りました。」

(最終回、2死から2塁にランナーを背負いましたがマウンドで集まった時にどんな話をしましたか)「このランナーは返してもいいからみんなで守ろうという話でした。」

(今大会は3試合完封。今大会を振り返ると)「立ち上がりが上手くいかないことが多かったのですが、みんなが守ってくれたおかげかなと思います。立ち上がりからしっかり投げられるように頑張りたい。」

クラーク記念国際 谷津葵美 選手

(優勝決まってどんな気持ちですか)「ユースの初戦で思うような結果がいかなくて悩んでいた部分もあったのですが、広橋監督から思い切りやれと言っていただいて、自分の力を発揮できたのでうれしいです。」

(初回の得点の場面。どんな気持ちで打席に入りましたか)「波音さんが初回からいい投球をしてくれたので、絶対に点を取ろうという気持ちで打席に入りました。」

(貴重なタイムリー3ベースヒット。勝利打点となりましたが振り返ると)「初球からストレートを狙っていたので、得意なコースに来てくれてよかったです。」

(今後の目標は)「選抜でも夏の大会でもしっかりとチームに貢献できるように守備でもバッティングでも頑張ります。」

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