宇治山田商-豊川 観戦記(2023年秋季東海大会)

10月28日に長良川球場で行われた準決勝第2試合、宇治山田商-豊川の観戦記です。
他の3チームが県大会優勝チームなのに対し、唯一2位からの勝ち上がりである豊川。地域性も含めて勝利が求められる豊川がどういう試合を見せるか注目して観戦しました。

宇治山田商
100002101|5 H10 E1
000001023|6 H13 E3
豊川

宇治山田商
加古(11)、田中(10)-小泉
豊川
鈴木爽(10)、中西(1)-高橋

投手成績
宇治山田商
加古真大(1年) 5回0/3 83球 被安打8 死球1 三振3 失点1

田中燿太 3回2/3 79球 被安打5 四球2 三振4 失点5(自責点2)

豊川
鈴木爽太 7回 131球 被安打8 四死球3 三振5 失点4(自責点1)
中西浩平(1年) 2回 34球 被安打2 四球1 三振1 失点1

(出場選手)
宇治山田商
8山本 6伊藤 5中川 2小泉 3泉 9郷(17)→9柴山(16) 7阪口 1加古(11)→1田中(10) 4加藤
豊川
7林優 2高橋 8モイセエフ 3中村→4 5北田 6鈴木羚 9山本 4林朔→H三浦(13)→3 1鈴木爽(10)→H中西(1)→1→H八木(16)→R吉田(20)

(試合経過)
1回表、2死1,2塁から5番泉がタイムリー。宇治山田商が先制。1-0
6回表、1死2,3塁から9番加藤の遊ゴロの間に1点。2死3塁から1番山本のタイムリー内野安打。3-0
6回裏、無死満塁から4番中村がタイムリー。ここでピッチャー交代、田中。5番北田が見逃し三振。6番鈴木羚がゲッツー。豊川が1点止まり。3-1
7回表、1死3塁から5番泉がタイムリー。4-2
8回表、ピッチャー交代、中西。
8回裏、2死2,3塁から5番北田の1塁へのハーフライナーの低い打球を逸らし、記録ヒットで2点タイムリーに。4-3
9回表、1死から4番小泉がソロホームラン。5-3
9回裏、エラー、四球で1死1,2塁。1番林優がタイムリー。2死1,3塁から3番モイセエフがタイムリー。同点。2死1,2塁から4番中村がタイムリーを放ち、逆転サヨナラ勝ち。
豊川が決勝進出。選抜出場もほぼ確定としました。

総評

豊川は割とミスも多く、それが失点につながる苦しい展開。走塁でももったいないプレーが出ていましたし、1点差に詰まったところで9回表に突き放される一発。正直これで決まったと思いました。
ただ、そこで9回裏の先頭バッターがエラーで出塁。これでもしかして、というのと、3番のモイセエフ選手にまで回せば何とかなる気がする、という雰囲気になり、そこから1番林優選手がタイムリー。1点ビハインド、2死1,3塁でモイセエフ選手に回します。
ここで見事に期待に応えてタイムリーを放ったモイセエフ選手は本当に華があるな、と思いますし、続いてサヨナラタイムリーを放った中村選手もお見事でした。
モイセエフ選手は4安打。4回にはやや暴走で長打を放つも3塁アウトになり、その影響もあって6回では走塁がチームとして思いきれなくなる悪循環。でも最後に打つあたりがスターだな、と。甲子園で更に輝きは増しそうです。
豊川は鈴木爽投手が粘投。内野安打が多く、それが失点につながる苦しい流れでしたが、何とか7回4失点で投げ切ります。
中西投手もボールは走っていたので、結果的にはもう少し早めでも良かった気もしますが、2イニング目は少し球威が落ちていましたし、長いイニングは不安があったのかな、と。それでも持ち味は出した印象。
色々ありましたが、最後にサヨナラまで持っていったしぶとさは素晴らしかった。選抜はこれで当確。決勝戦がまだありますが、影響はないと思います。愛知2校出場となれば久々の快挙。楽しみですね。
宇治山田商は6回に相手のエラーでのチャンス拡大から内野ゴロ、内野安打で2点。これがかなり大きかったのでそのまま押し切るかと思いました。その裏に4連打を浴びて1点を失ったところで田中投手がマウンドに上がり、ここを踏ん張る好リリーフ。
1点差に迫られたところで4番小泉選手がホームラン。これで行ける、という場面を何度も作り出しました。
ただ、8回裏、9回裏はエラー(8回裏は記録上はヒットでしたが)から失点。勝利が見えたところで普段通り戦うというのが難しいというのがいかに難しいかというのが実感した試合になりました。
決勝戦は豊川が愛工大名電を振り切って優勝。神宮大会出場を決めました。
これで3枚目の選抜切符は宇治山田商が有利となりました。正式に決まるのは来年の1月末ですが、宇治山田商は待ち遠しいですね。
豊川は一足先に神宮で全国舞台を踏めます。モイセエフ選手の全国デビューが楽しみです。

ピックアップ選手

宇治山田商 泉 亮汰 内野手(2年)

5番1塁で出場。2安打がいずれもタイムリー。勝負強さを発揮しました。ライナー系で強く打てていましたね。

宇治山田商 小泉 蒼葉 捕手(1年)

4番捕手で出場。9回に突き放すホームラン。これで決まったと思いましたが・・・。捕手でも2回に盗塁阻止を見せて、抑止力を発揮していました。

宇治山田商 田中 燿太 投手(2年)

6回裏の無死満塁でマウンドへ。1点は覚悟という状況でしたが、三振、ゲッツーで無失点。素晴らしいリリーフでした。コントロールが良く、インコースを突けるのも特徴。8回くらいからややばらつきが出始めて最後まで粘れませんでしたが、バックのミスもありましたし責められませんよね。

豊川 モイセエフ ニキータ 外野手(2年)

5打数4安打。4回の長打は右中間を破る素晴らしい打球でしたし、何よりそこからの3打席はランナーを置いたところでのヒット。こういう勝負強さが素晴らしいですね。広角に打てる打撃も見事。

豊川 中村 丈 内野手(2年)

4番1塁で出場。途中から2塁へ。2安打がいずれもタイムリー。サヨナラタイムリーもしっかりと捉えて4番の仕事を果たしました。

豊川 鈴木 爽太 投手(2年)

先発して7回を4失点。自責点は1でしたし、粘っていました。MAXは134km。ばらつきもあって本来の調子では無かったと思いますが、試合を作る能力に特徴があります。

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